禅と鞄づくりの、意外と深い関係

禅と鞄づくりの、意外と深い関係

昨年末、otnek & ebanat を始めてから初めて、ゆっくりと京都を訪れました。 仕事から完全に離れる、というよりは、少し距離を取って、自分たちの会社やものづくりを見つめ直すための時間だったように思います。

全くのノープランで、気の赴くままに寺を巡り、静かな空気の中を歩いていると、頭がすっと軽くなる感覚がありました。 情報も選択肢も溢れている日常から離れて、久しぶりに余白のある時間。
そこで改めて、私たちの目指すものづくりと、「禅」の考え方の親和性について考えました。

禅の思想の中には、「削ぎ落とす」「足るを知る」「今この瞬間に向き合う」といった考え方があります。 派手さや主張ではなく、静かさの中に本質を見出す姿勢。 それは、otnek & ebanat が大切にしてきた感覚そのものです。

私たちのバッグは、一見するととてもシンプルです。

素材はウルトラスエード一択。
ロゴは控えめに。
装飾も最小限。
それは、何を残し、何を削るかを何度も考えた結果です。

トレンドに左右されないアイテムでありたいので、出来るだけ独自のデザインを入れない、というのを心掛けています。

京都で見た庭は、削ぎ落とされてなお美しい。otnek のバッグも、そんな存在でありたいと思っています。
持った瞬間に主張するのではなく、使い続ける中で、じわじわと良さが伝わってくるもの。

また、禅には「時間」の捉え方もあります。 結果を急がず、過程そのものに意味を見出す。 受注生産というスタイルも、私たちにとっては、その延長線上にあります。

注文をいただいてから、一つずつ作る。 直ぐに届かないからこそ、待つ時間も含めて、モノとの関係が深まる。
効率やスピードを最優先する現代において、少し立ち止まって考えてみる、そのちょっとしたきっかけになれればと。

京都で過ごした時間の中で、「和」や「禅」は、現代社会で自分らしさを見失わずに生きるための知恵の様なものだなと感じました。
派手な主張をするのではなく、なんとなく気分が整う。otnek & ebanatは、そんな存在でありたいと思います。
ものづくりや消費体験を通して、日常の中に少しだけ余白をつくるきっかけを届けられたら。

禅を語るには、私はまだまだ未熟です。 けれど、その考え方を体現するブランドでありたい。 京都への旅は、そんな原点を、改めて思い出させてくれました。
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